小さいころからずっと動物に囲まれて過ごした著者の吉田さん。中でも今も、元気な愛犬パセオと、亡きダイコとシロに対する思いが強い。そんな三匹の犬たちと過ごした毎日を綴ったエッセイ風に仕立てた自分史です。
出だしは、茶色いほうかむりをしているような姿が愛くるしいダイコとの出会い。強烈な内容に思わずグッと引き込まれつつ、同時に筆者の動物に対する深い思いを感じます。
その次は、吉祥寺駅近くの井の頭公園でウロウロしていたシロ。雪の降る朝、筆者はシロが気になりダイコと公園に早朝散歩に。するとシロが自分たちをめがけて突進!その姿に思わず「私の家に来る?」と話しかけ、以来家族の一員となりました。
筆者の郷里、北海道にも一緒に旅をします。車で往復するのですが、旅情豊かにテンポよく読ませます。
最後はパセオ。この犬は筆者が家族と離れ1年間北海道で暮らしたときに、保健所で出会いました。筆者のお隣さんの愛犬ロンちゃんともお友達になり、北海道の大地で筆者とパセオは「第二の青春」を過ごすのです。
そうして今、三鷹の家に戻り、井の頭公園や三鷹界隈を散歩しながら毎日を過ごしています。
『ワン!ダフルライフWonderful Lifeダイコとシロ、そしてパセオ』は、愛犬との生活は何の変哲もない日常をどれほど楽しいものにしてくれたか……それを教えてくれる1冊です。
吉田さんには、ライフワークとしてフラメンコを身につけ、三鷹に「フラメンコ スタジオ・ヴィエント」を設立しました。北海道の千歳にも教室を開きました。毎年春と秋にスペインに行き、クララ・ラモナ氏やホアキン・ダリロ氏に師事していました。東京はもちろん北海道でも公演をしてきました。
フラメンコの物語を第二弾に!とおススメしています!
吉田さんは、優しく、朗らかで、さっぱりとしたお人柄。大げさでなく軽やかなイメージを出したいと考え、タイトルを決めました。
正方形に近い形で、内容に合わせカジュアルな感覚に仕上げました。小口折り製本はカバーと表紙が一体になったもので、扱いやすさと、ちょっとおしゃれ感が魅力です。
そして、表紙タイトル文字と表4(後ろ)のイラストには、UV印刷を施しました。犬や足跡のツルッとした凹凸感が遊び心を演出しています。
(2021/09/24更新)