ともだちになりたかったんだ
ともだちになりたかったんだ
よこすけ 様(文)、 みちくり 様(絵)様

仕様

サイズ:B4 天地25.7mm×左右36.4mm
頁 数:24頁
定 価:1,000円(税込)
<初版>
印 刷:オフセット印刷
製 本:ハードカバー
発行日:2021年4月3日
ISBN:978-4-89390-179-8
<重版>
印 刷:デジタル印刷
製 本:ソフトカバー
発行日:2021年6月14日
ISBN:978-4-89390-184-2

勇気を出して話しかければ、心の扉は開く

「みんなが ぼくをこわがるんだ」
主人公のくろくもグレーは声が大きくて不器用な子、お友だちの内気な星のツインクルを励ましたいんだけど……。
偏見を乗り越えて互いを認め合えるようになる過程を可愛いキャラクターたちが見せてくれる心温まるお話。
コロナ禍にあって不寛容と言われる時代に、元気をくれる本だ。

絵本『ともだちになりたかったんだ』本文

絵本「ともだちになりたかったんだ』本文

絵本『ともだちになりたかったんだ』本文

絵本『ともだちになりたかったんだ』背表紙

著者のこと

著者「よこすけ」さんは、しょうがいしゃ問題など社会問題に取り組み、今日も街中を車いすでエネルギッシュに奔走する。
絵を担当した「みちくり」さんも人権問題に真摯に取り組んでいる。
「毎日の忙しさの中で、私たちは楽しいこと、不思議なこと、畏敬の念など多くの大切なことを忘れて疲れ切ってしまいます。人間関係でも、互いが理解し合うには時間も労力も必要になってきます。でもグレーは勇気をふりしぼってツインクルに話しに行く。そこには愛があります」
「差別と偏見のある世の中で、いかにお互いを理解してつながっていけるか。それが希望ある未来への課題だと思います。私自身も模索中です」と二人は語る。

誰もがかけがえのない存在で、誰かの役に立っている。
優しく美しい絵とお話が、多くの人の心に届くようにと願う。

絵本『ともだちになりたかったんだ』ハードカバーとソフトカバーの背の写真

制作メモ

『ともだちになりたかったんだ』の初版はハードカバーでした。
嬉しいことに多くの方の手にとっていただき、重版となりました。
ハードカバーでは本文用紙を絵本の定番、マット紙にしましたが、ソフトカバーではちょっと画用紙っぽさが素敵な画王という用紙をあえて選びました。

紙も印刷方法も違うので、まったく同じにはなりません……、という話しに、絵を描かれた「みちくり」さんは、「いいですよ。画用紙っぽくなるって、楽しそう」とご快諾くださいました。

刷り上がった。
印刷もオフセットからデジタルに。色の出方の方向性は同じでも、ちょっと濃くなったかな。でも、どちらも素敵!
とってもリアルな仕上がりになりました。

にしても、
実はB4横サイズの本って製本が難しくて……。
いろいろな製本屋さんに声をかけてご協力いただきました。

 

【お客様ヴォイス】

『ことこと舎との出会いは、わたしの人生の1頁となりました。』

この度、わたしと妹は絵本を書くことにしました。
もともとの構想は「いのちについて」でした。
いのちについて、いつかは絵本にしてみたい。でも、それは今ではなく、将来的なこと。
何もやることがなく、余生を楽しむというか、自分の老いの時間を使って、絵本を書いてみたいというのは、漠然とありました。
「何をやっても自信が持てない。」
という言葉を妹から聞いたのは五年くらい前でした。わたしから見れば、妹ほど物事を完ぺきにこなす人は数えるほどしかいません。ちょっと前に流行ったある女優のセリフで、
「私、失敗しないので。」
というセリフがありましたが、料理をやるにしても、掃除をやるにしても、ものを書くことも、あるいは気遣いも彼女は上手でした。そんなに物事をこなせる人が、自分のやることほとんどすべてにおいて自信がないと言います。不思議でしょうがありませんでした。絵を描くことで自信を持たせたい、わたしの言うことはこれにつきます。けれども、絵本を作成したことで彼女の表現力はわたしの心をときめかせました。わたし自身はこの絵本が出来たら、お世話になった方々にプレゼントしたいという思いでした。しかし、この絵を見た時、わたしの心の中にとどめてはいけないと思えるほど温かい絵でした。文章はともかく、この絵を世に出したい、と思いました。

百五十部しか作れないわたし達の財力には当てはまらないきれいな絵に仕上がりました。もっともっと多くの人に見てほしいというわたしの思いは、尽きることはないですが、この絵を見たすべての人が将来に希望を持ち、夢を追いかけてみたくなるような一枚一枚の絵に仕上がりました。
わたしの友人の親友である一ノ瀬様を通し、三鷹市の自費出版専門工房ことこと舎を紹介されました。わたし達の注文は二点あり、「この絵の大きさをこのまま活かしたい」という事と、「より多くの人にこの絵を見てもらいたい。そのためにお店に置けるようにしたい」という身勝手なお願いをことこと舎の編集担当の方は快く引き受けてくださいました。半年間の製作期間を経て、一ノ瀬様、ことこと舎の皆様、また製本会社の皆様のおかげで自分たちの想像以上の作品が出来上がりました。この美しい出来事は、生涯忘れることのない、わたしの人生の1頁となりました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
文:よこすけ(瀧柳洋子)

 

姉との絵本製作が実現するとは今でも夢のようです。コロナ禍の緊張の伴う生活の中で、ほっとできる時間を絵を描くことによって私自身が与えられていたのだと思います。
キャラクターの一番のファンは私自身でした。空想の世界で癒されていました。絵を見てほっとする人、文を読んで少し考えてくれる人、絵本によって時間を共有できれば嬉しいです。

自費出版専門工房のことこと舎の編集担当者様は、原寸大の難しい絵本を丁寧に丁寧に向き合ってくださり、忠実に色も選んでくださいました。また、編集から販売まで携わってくださった一ノ瀬さまにも心から感謝しています。関わって下さる方の真摯な仕事の仕方というものに、プロと言われる方々の姿勢を、束の間学ばせてもらいました。人生で関われたことは宝でした。
またこんな素敵な過程をいつか繰り返せたら……また誰かと関わりながら作品を作り出し伝えるツールに出来たらと、夢を持って歩みたいと思います。ありがとうございました。
絵:みちくり(佐藤みち代)

 

メディアでの紹介

アサココ208号(2021年4月15日発行) 「勇気を出して話しかければ、心の扉は開く」6頁
毎日新聞地方版(2021年5月2日)「対話の大切さ絵本で 脳性まひ女性が自費出版 支え合う妹への思いも込め 国立 /東京」

(2021/7/5)