ぶんしん出版+ことこと舎便り Vol.38 2024/7/11
日付:2024.07.16

お世話になっている皆さま、名刺交換していただいた皆さまへ
(配信停止・配信希望は、hon@kotokotosya.jp まで)

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ぶんしん出版+ことこと舎便り Vol.38 2024/7/11

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。日本の夏は、6月23日の沖縄戦の事実上敗北の日から、8月6日の広島原爆投下、8月9日の長崎原爆投下、8月15日の終戦(敗戦)記念日と続く慰霊と反省の日が続く夏でもあります。

 19年前の2005年(平成17年)、終戦60周年の年に、沖縄の平和祈念公園を訪れる旅の計画をしました。日程は休暇がとれる8月10日からの3泊4日と決めホテルと飛行機の予約をしたのですが、6月頃から体調が優れず、7月中頃に近くの医師に診てもらったらすぐ武蔵野赤十字病院の紹介状を渡されました。7月29日の武蔵野日赤での検査結果は、かなり進んでいる中咽頭癌と説明され、当院ではなく手術例が多い病院を紹介されました。
 8月7日、紹介された大学病院で再検査をし、改めて中咽頭癌ステージ4期Bという診断結果と治療の説明があり、即入院となりました。「実は10日から沖縄旅行を予定していたのですが諦めます」と、話したら、医師は「そうですか、それは行って来てください、病室は空けておきます」と勧められた。一刻も早く治療が必要と言ったはずなのに、「冥途の土産に是非」と聞こえ、余程悪いと思いました。

 沖縄摩文仁の丘の平和祈念公園は、断崖絶壁と蒼い海、広大な青い空が広がり、沖縄戦の最後は、この場所で殺され身投げし自決に追い込まれたのかと言葉を失いました。開放感あふれる壮大な景色と人間の殺し合いが少しも馴染まず、「平和の礎(いしじ)」に黙礼しながら祈念公園を後にしました。(K)

〈なにを焼く火炎放射器沖縄忌〉七井橋 

 
————————————————————

▼目次

【1】コラム

 ● 【自費出版の周辺】(その3)

【2】イベント情報

 ● 九冊と一冊 特装本 参加作家によるプレゼンテーション

 ● 三鷹ビジネスパーク夏祭り
 ● 府中市商工まつり

【3】トピックス

 ● 日電商工株式会社様webサイトをリニューアルしました!

【4】主な新刊情報

 
————————————————————

【1】コラム

————————————————————

● 【自費出版の周辺】(その3)「本の費用は貯めていた自分の葬式代から」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今から26年前。75歳になる女性の画集を作った。植物画と呼ばれているボタニカルアートの画集だった。

 「昭和61年、私は65歳になっていました。私の父も夫もその年齢で他界しましたので、何となくその頃には自分もと、思っていたのですが、いつの間にかその歳になっていたのです。当時、私は趣味と実益を兼ねて洋裁と刺繍をしていましたが、これからの余生を自分の本当に好きなことに打ち込んでみようと思いました。何とか、DNAも伝えたし24時間全部自分のものとする最高の贅沢を許してもらう事にしたのです。私の好きな事、それは絵を描く事でした。そんなときサンケイ新聞に写真入りで狛江ボタニカルアート同好会の紹介記事が載りました。(中略)只、もう少し早く始めていたらと悔やまれます。少々心臓がくたびれてまして、山歩きが出来ず、山草の自生する姿が見られないのです。目も悪くなり、ルーペなしでは細部は塗れません。何時まで絵が描けるやら…。75歳、人生の節目、生きた証、そんな思いが気となって未熟を顧みず、作品集を出させて頂きました」とあとがきに記されている。

 画集はB4判168頁オールカラー上製本という大きな立派な本だ。確か200万円近い見積もりだったが、「心配しないで、自分の葬式代に貯めていたお金があるの。お葬式は医科大学にこの体を献体して済ませてもらう予定よ」とにこにこと話された。
 当時はまだアナログのフィルム製版の時代である。ボタニカルアートは自然の色や形を正確にアートとして再現することであり、製版専門の会社に作者とともに訪れた。最初は場違いな女性が来たと感じていたようだが、画集に対する熱い思いが、だんだんレタッチの職人(絵柄の明暗や色の調子再現を手作業でフィルムを補正する者)に通じて、期待に応えてあげたいという気持ちになっていったようだ。ここのレタッチマンは歩合制なので数をこなさないと手取りが減るため、やっかいな仕事は敬遠されるのだが、彼女の思いが通じたようだった。
 そして、何回かの補正の末に製版・印刷・製本が終わり、期待に応えた画集ができた。納品後、「お礼として、川井さんに好きな絵を1枚あげる」には飛び上がった。遠慮なく「酔芙蓉(スイフヨウ)」の絵をいただいた。ちょうど酔芙蓉の登場が印象的な『風の盆恋歌』(高橋治著/新潮文庫)を読んだ後だった。(川井信良)

 
————————————————————-

【2】イベント情報

————————————————————-

● 九冊と一冊 特装本 参加作家によるプレゼンテーション

 「井上奈奈『絵本を建てる』出版記念展」のイベントにことこと舎でお世話になっている、空想製本屋 本間さまが、登壇されます。
 日時:2024 年7 月21 日(日)14 時~ 予約不要
 場所:gallery kissa 東京都台東区浅草橋3丁目25-7
 詳細:井上奈奈『絵本を建てる』出版記念展
 https://gallerykissa.jp/schedule/20240706
 展示会の開催は、7月6日(日)~8月4日(日)です。

 

● 三鷹ビジネスパーク夏祭り

 “東京諸島の焼酎飲み比べ”、“メモ帳販売”、“くじ引き”などご用意してお待ちしております!
 日時:8月2日(金) 17:30~20:00
 場所:三鷹ビジネスパーク
 詳細:https://x.com/bunshin1962/status/1806466525202952372/photo/1

 

● 府中市商工まつり

 今年も出店します。ご当地物産展のコーナー(島しょ物産展)でお待ちしております!
 日時:2024年8月3日(土)、4日(日)10:00~19:00
 場所:大國魂神社境内
 詳細:府中市商工まつり
    https://www.tama5cci.or.jp/chamber/maturi/index.html

 
————————————————————-

【3】トピックス

————————————————————-

● 日電商工株式会社様webサイトをリニューアルしました!

 製品カタログ、会社案内に続き、webサイトのリニューアルをお手伝いいたしました。このあと、製品ページやサステナビリティ、リクルート情報などを充実させていく予定です。
 https://www.ndsk.co.jp/

 
————————————————————-

【4】主な新刊情報

————————————————————-

●『権威と分節 近現代中国の社会・教育・文化に関する断章』

著者:水盛涼一様/発行:多摩大学出版会/発売:ぶんしん出版/A5判/252頁/ソフトカバー/価格:2,400円+税

 
 
∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴

▼SNSでも情報発信中!

アカウントをお持ちの方は「いいね」や「フォロー」お待ちしております

・ブログ(ことこと長屋):http://blog.livedoor.jp/kotokoto_sya/

・Facebook:https://www.facebook.com/kotokotosya/

・X:https://twitter.com/kotokotosya

・note:https://note.com/bunshin_kawai/

▼「ぶんしん出版+ことこと舎便り」のバックナンバーは、News&Topicsに掲載しています

・https://kotokotosya.jp/

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■発行元
株式会社 文伸/ぶんしん出版/自費出版専門工房「ことこと舎」
出版事業部
〒181-0012 東京都三鷹市上連雀1-12-17
TEL:0422-60-2211 / FAX:0422-60-2200
▼メールアドレスの変更・配信停止・ご意見・ご感想・お問い合わせ
E-mail:hon@kotokotosya.jp
∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴
株式会社 文伸 https://www.bun-shin.co.jp/
ことこと舎 https://kotokotosya.jp/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 

▼バックナンバー
 
Vol.1 2021/6/15Vol.2 2021/7/13Vol.3 2021/8/17Vol.4 2021/9/13Vol.5 2021/10/15Vol.6 2021/11/16Vol.7 2021/12/15Vol.8 2022/1/14Vol.9 2022/2/15Vol.10 2022/3/16Vol.11 2022/4/15Vol.12 2022/5/16Vol.13 2022/6/15Vol.14 2022/7/15Vol.15 2022/8/26Vol.16 2022/9/26Vol.17 2022/10/14Vol.18 2022/11/18Vol.19 2022/12/15Vol.20 2023/1/13Vol.21 2023/2/16Vol.22 2023/3/17Vol.23 2023/4/14Vol.24 2023/5/17Vol.25 2023/6/15Vol.26 2023/8/3Vol.27 2023/8/16Vol.28 2023/9/21Vol.29 2023/10/23Vol.30 2023/11/16Vol.31 2023/12/19Vol.32 2024/1/16Vol.33 2024/2/19Vol.34 2024/3/14Vol.35 2024/4/17Vol.36 2024/5/16Vol.37 2024/6/13