ぶんしん出版+ことこと舎便り Vol.36 2024/5/16
日付:2024.05.20

お世話になっている皆さま、名刺交換していただいた皆さまへ
(配信停止は、hon@kotokotosya.jp まで)

 
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ぶんしん出版+ことこと舎便り Vol.36 2024/5/16

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 さわやかな季節がやってまいりました。大型連休もあっという間に(個人的な感想)終わりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 さて、前号でお伝えしました印刷業組合(一般社団法人日本グラフィックサービス工業会/通称ジャグラ)の作品展「ジャグラ作品展」の結果が出ました。当社の作品が2点受賞しました。『株式会社文伸創立60周年記念誌』が「日本グラフィックサービス工業会会長賞」、『SHAPING NISECO 10 properties by WCH』が「経済産業省商務情報政策局長賞」となりました。
 この作品展は、全国の同業者が切磋琢磨して品質の向上に努めることが大きな狙いであるのですが、最近では「どの段階から参加しているのか」という、参加のストーリーも大切だと言われるようになりました。企画の段階から参加して作り上げたものと、完全印刷データを支給されて印刷・製本をしているものは、やはり評価が違うべきだということです。 (K)

 
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▼目次

【1】コラム

 ● 【自費出版の周辺】(その1)

【2】トピックス

 ● ことこと舎webサイトがリニューアルオープン!
 ● こぼれ話

【3】イベント情報

 ● 井の頭自然文化園のマルシェに出店します!
 ● 奥深大寺 まちのハレの日 vol.3に出店します

【4】主な新刊情報

 
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【1】コラム

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● 【自費出版の周辺】(その1)「今年は邦文写真植字機発明100年の年」

 道草ばかりしていないで本題に戻ります。ということで、しばらく自費出版や印刷の周辺の話をいたします。

 写真植字(以後「写植」)を知っていますか。今年は邦文写真植字機発明100周年の年にあたります。
 写植は文字組版方式の一つで、1970年代から80年代の印刷文化を支えた革命的文字組版システムでした。写植の原理をひとことで言うと、文字盤から一文字ずつ撮影して、その撮影された印画紙を現像して版下にするという方式です。正に写真方式の植字なのです。文字の大小はレンズを代えることで調節ができるため、同じ書体の大小なら1枚の文字盤があれば済んでしまいます。
 それまで主力だった活版活字の場合は文字の大きさ毎に膨大な量の活字を作らなければならないことや、使用頻度の高い文字はたくさん用意する必要がありました。さらに使った活字は元の棚に戻す手間が生じ、活字を置く広く頑丈なスペースも確保しなくてはなりませんでした。それら諸々を考えますと、写植の登場はまことに革命的と言えました。
 写植の原理は1910年代に欧米で発明されたのですが、実際に実用化されたのは日本が最初と言われています。その理由に挙げられているのは、日本語はほぼ正方形の中に納まるけれど、例えば欧文はWとIはそれぞれ字幅が違うので、それらの文字を自動的に詰めていく技術が難しく、実用化が遅れたと言われています。
 日本の写植機の発明は100年前の1924年(大正13年)7月24日。森澤信夫(1901年-2000年)と石井茂吉(1887年-1963年)の二人の合作でした。その後、森澤と石井は袂を分かつことになり、それぞれ写植機メーカーの「モリサワ」「写研」を立ち上げて再出発します。
 以来長い間交流することはなかったのですが、このたびの100周年を記念して、当時大きな支持を得ていた写研の石井書体をモリサワがデジタル用にリニューアルして再登場することになったのです。二社が激しく張り合っていたことを知る者にとっては、感慨深い出来事なのであります。

 二人の写植開発者の功績の一つは、文字の大きさや歯車の送りの単位をメートル法にしたことです。文字の大きさの単位を級(Q)、文字送りの単位を歯(H)にしてそれぞれの最小単位である1級1歯を1/4mmにしました。そのため5mm四方の大きさの文字を組みたいときは5×4=20級となり、ベタ組(字間隔をほとんど空けない組み方)の歯送りは20Hで送ればいいと、すぐ計算できるのです。日本で昔から使われていた「号」とか、欧米の「ポイント」と比べるとその利便性が分かります。ちなみに「級」は当て字で「Q」が正しく、Quarter(1/4)からきています。
 日本の印刷文字組版の本格的始動を、1869年(明治2年)の活版伝習所開設とすれば、それから約100年間は活版の時代。その後の20年は写植時代。そして汎用コンピュータが出現して登場したDTPが35年で現在進行中ということになります。その印刷文字組版155年の中では、いかにも写植20年は短いですが、写植文字を源流とする書体は、現在デジタルフォントとしてDTPはもちろん、私たちの日常生活のありとあらゆるところで活躍しているのです。(川井信良)

(参考:モリサワ 「邦文写真植字機発明100周年」特設サイトhttps://www.shashokuki100.jp/

 
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【2】トピックス

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● ことこと舎webサイトがリニューアルオープン!

 注目ポイントは、概算自動見積もりシステムが導入されたこと(^^)/
 イメージに近いものを選択するだけで、概算が表示されます。掲載の仕様以外の本もつくれますので、お気軽にご相談ください!
 ↓↓↓コチラから↓↓↓
 https://kotokotosya.jp/price/

 

● こぼれ話

「概算自動見積もり」の下に1,500超の見積計算式

 「自費出版専門工房ことこと舎」のホームページをリニューアルしました。より分かりやすく、よりスマホでも見やすくしたリニューアルです。そして今回の目玉は「概算自動見積もりシステム」を入れたことです。本の内容、判型、ページ数、部数などを入れると概算価格がすぐに出るという超簡単見積もりシステムです。
 実はこの便利なシステムづくりに悪戦苦闘しました。本来、本づくりの見積もりは、様々な項目を確認して計算しなければなりません。
 主なところでは、①内容の種類(自分史や句歌集、記念誌、絵本など)、②原稿・入稿の状態(手書きかデータか整理されているかなど)、③本の判型(四六判やA5判、B5判など)、④本文のページ数、⑤どこにどんな用紙を使うのか(表紙に〇〇、扉に〇〇、本文に〇〇など)⑥部数、⑦製本方式(ハードカバーやソフトカバーなど)、⑧編集の範囲(原稿の内容チェックや構成案のレベルなど)、⑨校正・校閲の有無や回数、⑩多色刷りの有無とそのページ数、⑪デザインのレベル、⑫箔押し等の加工の有無、⑬完成後の発送や販売の有無などがあります。
 これだけでも各項目のあらゆる条件を入れるとすれば、膨大な見積もりになります。そこで今回の「概算自動見積もり」は、基本となる骨格的な見積もりをお示しして、追加として、例えば表紙に加工処理したい場合や、用紙を代えたい場合など、オプションとして別途加算していただくことにしました。それでも、様々なパターンを考えた基本見積もりは1,500件超の見積もり作業が必要となりました。
 ということで、「概算自動見積もり」の下には悪戦苦闘した1,500件超の見積計算式のなかから精査した500件超の金額が出番を待っています。試しに作りたい本をイメージして概算価格を出してみてください。(K)

 
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【3】イベント情報

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● 井の頭自然文化園のマルシェに出店します!

 5月17日は井の頭自然文化園の開園記念日です。開園82周年と累計入園者数6,000万人を記念したイベントのミニマルシェに出店します

 日時:2024年5月18日(土)、19日(日)各日9時30分~16時
 場所:動物園(本園)東屋まえ特設テント
 内容:むさしのプレミアム認定商品『井の頭公園100年写真集ハンディー版』をはじめ、メモ帳や島ガチャくじ引きもご用意してお待ちしております。
 詳細:https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=&inst=&link_num=28544

 

● 奥深大寺まちのハレの日 vol.3に出店します

 日時:2024年6月2日(日) 11時~16時 
 場所:ブランチ調布
 詳細:https://machino-haranohi3.peatix.com/view

 皆さまのご来店お待ちしております。

 
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【4】主な新刊情報

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●『書写書道教育研究38号』全国大学書写書道教育学会様/サイズ:A4判/頁数:84ページ/ソフトカバー/2024年3月31日発行/1,980円(税込)

 
 
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